"Diary" インターネットさんへの恩返し

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ITアウトソーシング担当を任されるにあたって読んだ本



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自身ITインフラ系エンジニアですが、いきなりITアウトソーシング請負プロジェクトのPM(メンバーなし)を任されてしまい、一夜漬け的にその業界を学んだり、PM関連の勉強をしてみてよかった本、役に立たなかった本を列挙。

[目次]

ITアウトソーシング全般

(1)ITアウトソーシング戦略(おすすめ度☆☆★)

ITアウトソーシング戦略

ITアウトソーシング戦略

海外の著名コンサルなどの書籍をNTTデータ研究所が和訳した本。情報のレベル的に結構大企業を想定したITアウトソーシングにフォーカスしており、私の場合そこまでの規模の顧客ではないので、現実離れした内容が多かった。
そのためオススメ度は「1」。読者としてアウトソーシングを考えているユーザ企業がターゲットの内容であり、戦略立案時〜プロジェクト中に起こりうる問題と対策について列挙されている。

(2)アウトソーシングの正しい導入マニュアル(おすすめ度☆★★)

ITアウトソーシングだけではなくBPO全般を含めた範囲で書かれた、中小ユーザ企業向けのアウトソーシング全般のノウハウ集。
最後に契約書のテンプレートなどもついており、実利用性がある。また、内容が非常に簡易的かつ包括的に書かれており短期時間でアウトソーシングとはなんぞや、コアビジネスはアウトソーシングすべきではないなど、現実味がある内容が多く、結構アウトソーシングの戦略立案から完了、その後のポイントを抑える意味では非常に良い本。

(3)ユーザ企業にとってのITアウトソーシング(おすすめ度☆★★)

(2)は、IT含め、それ以外のアウトソーシング全般を対象としているが、こちらの本はITアウトソーシングにフォーカスした本。(2)を読んだあとこれを読むと、BPOの中で特にITアウトソーシングで注意すべき点、その方法論などが効率よく頭に入ってくる。
またITならではのSLAなどアウトソーシング後のPDCAのまわし方など、ベンダーをうまく使うためのよりよいアウトソーシングにするためのヒントが多く記載されている。

(4)IT Outsourcing – 11 Short Steps to Success: An Insider’s View(おすすめ度☆★★)

IT Outsourcing ? 11 Short Steps to Success: An Insider’s View (Bite-Sized Books Book 17) (English Edition)

IT Outsourcing ? 11 Short Steps to Success: An Insider’s View (Bite-Sized Books Book 17) (English Edition)

英語で、(1)~(3)が書かれているイメージ。海外オフィスもあるような顧客だったので、対海外向けの資料作成時の言葉選びとして購入。辞書的に使用。

(5)図解CIOハンドブック(おすすめ度★★★)

図解CIOハンドブック 改訂4版

図解CIOハンドブック 改訂4版

アウトソーシングと直接関係ないけど、ユーザ企業のIT責任者が日頃何を考え、どのように実務をこなしていくかが網羅されている本。
情シスとは何か、彼らの求めるもの、彼らの目指すもの、一般的な課題がわかりやすく書かれており、ITアウトソーシングプロジェクトをすすめる上で情シスの管理職と話しを合わせる際に、知っておくべきことが書かれている。
どちらかというと現場レベルでしかものを見てなかった私なので、こういった切り口で、鳥瞰図的にCIOの頭の中を見るには非常に良い機会となったので★3つ。

PM系の本

(6)はじめてのPMBOK(おすすめ度★★★)

はじめてのPMBOK

はじめてのPMBOK

PMをやるのが初めてということもあり、またPMBOKは気にはなていたけど学習する機会がなかったので、いい機会となった。
PMBOKの概要やエッセンスがまとまっているものであり、おそらくPMBOKの中には理想はそうだけど現実的に使わないツールもいっぱいあるだろうと予想されるが、この本に書かれているものは、結構現実的に使えるにPMネタが多い気がした。
こちらも現場レベルの人間がPMがいつも何を考えているのかを理解するためてもしても非常に良い本。スコープをちゃんと定義しろとか、リスクを管理しろとか当たり前のことが書かれているが、そういった当たり前のことが淡々と列挙されているので、改めて日ごろやっていることの位置づけが理解しやすくなる。

(7)UMLモデリング入門(おすすめ度☆☆☆)

UMLモデリング入門

UMLモデリング入門

業務分析をする際にUMLを使うと、引き継ぎやドキュメント作成時のルールになるかと思って読んだがUMLマニア向けの本という感じで、厳密にUMLを理解し、それを使っていこうという非常に、、、応用が聞かない、UMLの厳密な定義やその意図などが書かれており、ぱっとUMLを理解してUMLを使いたいと思っていた私にとっては、そこまで考えたくないだけど。。。という内容がほとんど。時間がもったいないので最後まで読む気が失せた本。UMLを研究したい人にとってはいいかも。

(8)7つの要素で整理する業務プロセス(おすすめ度★★★)

7つの要素で整理する業務プロセス (for Mutual Interest SERIES)

7つの要素で整理する業務プロセス (for Mutual Interest SERIES)

(7)がマニアック過ぎたので、改めて新人コンサルが読むようなレベルの本をAmazonで探した一冊。図の使い方の基本的な説明が書いてあってあとは、サンプル業務フロー集になってるのでかなり使えます。そのため★3つ。

(9)実務で役立つWBS入門(おすすめ度☆☆★)

実務で役立つWBS入門 (プロジェクトマネジメントマガジン)

実務で役立つWBS入門 (プロジェクトマネジメントマガジン)

英語を日本語訳した本と思われ読みにくい。内容も非常にわかりにくく買って損をした。買わないほうが良い。
WBSはいつも作っていますが、いつも迷うのはレベル3以下をどう管理するか。たいてい作業明細として別資料で管理するけど、いつも重複項目や動詞、体言ドメとか表現に困ったりして適当になっていくのであるべき論を学ぶために読んだ。

その他

(10)社内政治の教科書(おすすめ度☆★★)

「課長」から始める 社内政治の教科書

「課長」から始める 社内政治の教科書

ITアウトソーシングというかBPO全般ですが、(1)-(3)を読む限り、非常に問題になりやすいのはユーザ企業内の社内調整、現行社員の雇用の調整など生々しいところでトラブルになることが多く、そいういった会社の人間関係をスムーズにすすめる基礎知識として購入。まぁだいたいよくあることが書いてあるが改めて、意識する上では良い本。

感想

BPOビジネスは、ベンダーとして、多岐にわたるスキルが求めれる

派遣法、ITリテラシー、プロジェクト経験、契約、人間関係トラブル解消、交渉力、PDCA管理が主な業務。そのため、アウトソーシングのアウトプットがITソフトウェアやシステムと異なり、業務の仕組み自体が納品物になる。なので、必要となるスキルはコミュ力と、文書作成力、法律など多岐に渡るので、薄く広く経験が必要。

顔は仏、心は鬼じゃないとやっていけない

BPOにより仕事を奪われる社員の気持ち、仕事を奪うことを業者に頼む管理職の気持ち、コストを下げ生産性を上げることを重視する経営陣への対応、交渉などどっちかというとITスキルよりプロジェクト運営にはそういったことが多々発生する。ドライにやればいいじゃんという話でもなく、現場の人に業務を教えてもらわないと引き継ぎができないため、仕事がなくなる人との信頼関係を作らなければいけない。

プロジェクト完了というものはなく、ずっと続く

システム構築と異なり、納品を行えば終了ではなくSLAPDCAを回し品質をどんどん上げていくことを求められる。


そんな、難しい仕事を任されたのだと若干ビビってますが、なんとか頑張りたいと思いますという感想でした。